「やめて!!」


途端に教室にいた真奈美が叫び、モニターへと駆け寄る。


「よせ!」


晴哉が真奈美の体を後ろから抱きしめるようにして止めた。


画面上ではまだ真奈美の姿が映し出されている。


「やめて!! 見せないで!!」


真奈美は必死になって抵抗をするが、晴哉の腕をふりほどくことができずにいる。


画面上の真奈美は大和の机まで近づいていた。


大和の椅子に座ると嬉しそうにほほ笑む。


その映像だけで真奈美が大和へ対してどう思っているのか、すべてが伝わって来た。


胸がズキリと痛むのを感じる。


真奈美はそのまま大和の机に頬ずりをして、続けて舌でなめ始めたのだ。


ヌラヌラとした唾液が大和の机に絡み付いていくその様子は、異様なものだった。


クラスのどこからか「うげっ」という声が聞こえて来る。


画面上の真奈美は頬を赤くそめ、時折呼吸を荒くしながら大和の机を舐めている。


それはまるで食事をしている犬のようだった。


丹念に大和の机を舐め終えた真奈美はバレない程度に机の上をふき、絵の道具を持って教室を出て行ったのだった。