校門をくぐると、たくさんの上級生が出迎えてくれた。
「わぁ……すっごい人多い」
「ほ、ホントだね……」
たくさんの人に押しつぶされて、花音とはぐれそうになる。
「かっ、花音ーっ」
花音の名前を呼ぶけど、返事はない。
まわりは知らない人だらけで、頼れる人もいない。
「どうしよ……私、迷子……?」
学校で迷子になるなんて、これからの学校生活に不安しかない。
思わず涙が出そうになったその時
「大丈夫?」
「えっ……?」
声が聞こえた方を向くと、背の高い男の子がいた。
「君、1年生だよね」
「はっ、はい……」
ゆっくりと近付いてくるその男の子が怖くなって、私は後ずさりをしてしまう。
迷子になったなんて言えない……。
花音もいないし、知ってる人もいないのに……。
「……もしかして、迷子?」
「う……」
恥ずかしすぎて、段々と熱くなっていく顔をおさえながら、私はその男の子の質問に答える。
「は……はい」
「……」
うわぁ……。
絶対ひいてるよ。もう……。
「大丈夫、じゃあ1年生の集合場所まで一緒に行こ」
「えっ……」
男の子にギュッと手を握られる。
すると、いつの間にか手の震えはおさまっていた。

