「ごめんっ、私菜摘とはぐれて……」 「いいのっ、大丈夫」 花音は私の手を握ってそう言った。 花音の手のひらは冷たくて、軽く震えていた。 それだけ私のことを心配してくれていたんだ……。 そう思うと、自然に笑みがこぼれた。 「それでは、入場します」 高校の先生の声が聞こえて、私たちは体育館に入場する。 入場すると、たくさんの人がいた。 保護者、先生方、上級生……。 体育館に響き渡る拍手の音は、私の気分を明るくさせた。 新入生の席に座って、入学式が始まった。