だいじなもの。





コポコポ……




コーヒーの匂いが私を包み込む。




うぅっ、気持ち悪い………




コーヒーの匂いがこんなにも気持ち悪く感じるなんて………





妊娠なんてロクなことない。




__________________!





「赤ちゃんっ!」





倒れたことを思い出して意識が明確になった。




飛び起きたと同時にお腹に手を重ねた。




あぁ、良かった………




生きてる………





これが母性本能とでもいうのだろうか、なんの確証もないが感じた。




こんなにも赤ちゃんの心配して安堵してるのにどうして私は夢を捨てきれないのだろうか。




ごめんね、こんなお母さんで。




自分のことを全て捨ててあなたのことを選んであげられなくてごめん。




悔しさと情けなさがこみ上げてきて涙が止まらない。