コトン____と目の前に置かれたオレンジジュース。



自分はアイスコーヒーを手にしていた。



「それで最近はどう?・・・・て聞いても大丈夫?」


遠慮がちに聞かれた質問。



きっと心配させていた理由の一つだろう。



カランカランとストローでジュースをかきまぜた。



「う~ん・・・・。まあそれなりに?毎日仕事に明け暮れてるよ。朝早く仕事に行って、夜中に帰ってくる、の繰り返し」


心配かけない様にへらへらと笑って見せた。



「何時間くらい寝てるの?」

「ん~・・・・4時間くらい?」


死んだ様に眠るのに目が覚めるのは早い。



理由がないわけではない。



「体に悪いよ。そんなに仕事忙しい?」


煌が余りにも真剣な目でまっすぐと見てくるから誤魔化せなかった。



「違うの。無理に働いてるの。そうでもしなきゃ考えちゃって・・・・・」


「奈緒・・・・・。聞かせて?ちゃんと聞くから」



こんな気持ち誰にも話せなかった。


話しても誰も信じてくれない。



なんてただの言い訳で、本当は口にするのが怖かった。



口にしてしまったら、現実を受け入れたみたいで言えなかった。



それなのに煌に聞いてほしいと思ってしまうんだから、不思議なものだ。