焼き上がるまで沈黙になることはなかった。 煌といると楽しい。 現実を忘れられる。 「すげー。パティシエが作るとめっちゃ凝るな」 「作るからには最高の作品にしたいじゃない?」 それがお金になろうとならなくても。 出来上がったスフレを見て真剣にカメラのシャッターを押す煌を見れた。 その姿が私からしたらお金よりも価値がある。 「撮るのはいいけど、早くしてね。スフレが冷めちゃう」 煌の姿を見てつい口角が上がってしまう。