だいじなもの。





煌に背中をおされ、光瑠には何度か会った。




だが中々伝えられず、会ってダメなら電話で。




とも考えるが、やっぱり番号を出しては消しての繰り返し。





そんなことを繰り返してるうちに、また光瑠に伝えるのが怖くなってしまった。





そんなある日、フラフラっと煌の家まで来ていた。




こんなとこ来て何してんだろ………




一度会ったっきりの女なんて覚えてるわけがない。





「奈緒?」




ドアの前でうじうじ考えていたら煌の私の名前を呼ぶ声がした。