涙が止まらず、私は両手で顔を隠した。


倫太郎が私から離れて起き上がり、ため息をついた。


「ごめん、意地悪しすぎた」


「ひどいよ……」


「でも、こんなとこで触れられたらやりたくなんだろ、誰でも」


倫太郎の視線が久しぶりに私に注がれていて、こんな時なのにドキッとしてしまう。



「こんなの倫太郎じゃない。前はもっと優しくて穏やかで…こんな風に意地悪なことしてこなかった」


倫太郎は視線を床に落として俯いた。



「…これが本当の俺だよ。好きなやつには触れたいし、キスだってしたい」



「え…?」



い、今なんて言ったの?