「私、この後雄輝とショッピングに行く約束してたんだ。
だから、後は2人で楽しんでね!」

そう笑顔を作り雄輝の腕に自分の腕を巻きつけ、雄輝を引っ張って行く。

「そうだったんだね。
雄輝、向坂さん今日は私のワガママに付き合ってくれてありがとう」

春崎さんの真っ白な笑顔に心を痛めながら無言で出口まで足を進めた。
外へ出ると雄輝の腕を離して静かに問い掛ける。

「雄輝は今日辛くなかった?」

「なに言ってんだよ…。
友達として側にいるって決めたのに、こんくらいで辛かったらこの先やってけねぇだろ」

「へぇ。
雄輝は強いね。
この後は解散しよ?ちょっと1人になりたい。」

目を逸らし雄輝に背を向ける私。

雄輝みたいに強くなろう。

そうだよ。私は凌のトモダチなんだから。

脇役は脇役らしく、あの2人の幸せを見届けよう。

「まぁ。今日のは、俺が悪かったんだよな。
麻宏の話に合わせてたらさ?俺がお前のこと気になってるとか勝手に進んでて、それで今日4人で来ることになったんだよ。」

春崎さんが私を可愛いとか言っててそれに合わせて言ってたら、こうなっと…