先生からオーケーがこない。


ダメです、嫌です、って言われたら嫌だな。


……先生、最後の最後まで困らせてごめんなさい。


でも、どうしても、先生に呼んでほしいんです。


わがままで、ごめんね。



「毎日毎日、飽きずに来てくれてありがとうございます。……いつも感謝しているのは、こっちなんですよ、晴妃(はるひ)」



「……っ」



先生と私には、数メートルの距離があった。


今、その距離はグンと縮まった。


名前、だけじゃなく、頭ポンポンまでしてもらえた。


これほど嬉しい日はないだろう。


涙が出てしまいます。先生のせいですからね。



「……泣き、ませんよ。泣きませんよ、先生。ありがとう、先生」



「こちらこそです、新沢(にいざわ)さん」