いつの間にか 話題は佐伯くんのこと。 もちろんあたしは何も言わない。 …なんかいやだなぁ 聞きたくないんだけど… 「って、奈津? あれ、奈津じゃない?」 …本人登場!? 前方から歩いてくる見覚えのある姿は 間違いなく佐伯くんで。 あたしはとっさに一人の子の後ろに隠れた。 「やっぱ奈津だ! 何してんの―?」 …話しかけちゃったよ… 「俺今休憩…って、 おまえらこんな時間まで練習してたの?」 「うん! 勝ちたいからねっ」 そんなこんなで みんなは他愛ない会話をし始めた。