「カップケーキかぁ……どうやって作ればいいんだろう?」



ベアトリス先生の指示のもと、付近に座っていたエイミー、ローリー、それからサビーナと4人ひと組になってカップケーキを作ることになった。



「そんなの自分の頭で考えなさいよ。簡単なことでしょ」

「そりゃあサビーナは上手に魔法が使えるから簡単かもしれないけどね。私たちはサビーナみたいに何でもそつなくこなせないから」



「そうだよねっ、メイベル?」とエイミーに同意を求められ、こくこくと首を縦に動かした。



「まぁとりあえずさ、カップケーキを作る過程をイメージしてやってみるかっ!」



と言って勝手に詠唱をはじめたローリーは「チョコチップどっさりのやつにしよう」と言いながら魔法を発動させた。

そして4つに寄せ集めた机の上に現れたのは、アルミカップにはいったカップケーキ。



「まぁ、見た目は悪くないわね。でも問題は味の方だから。ちょっと食べてみなさいよ、メイベル、エイミー」

「ちょっ、何でサビーナは食べないのよ?なんか怖いからメイベルが先に食べて!」

「えぇ?そこは創作主のローリーが毒味するべきでしょ……」



と、私なりの抵抗を見せたものの「俺も怖いから嫌だ」とローリーにあっさりと断られてしまい。

手のひらサイズの艷やかな卵色のカップケーキをドキドキしながら手にとった。