想いが溢れてしまったら【短編】

なんか、振られたのにすっきりしたかも。


好きになった相手が陽介でよかった。きっとこれからも気まずくならずに、今まで通りの関係でいられる。


いや、今まで通りじゃないのかも。むしろ前進?

だってあたしが陽介を好きなこと、知っててもらえるんだもん。


それってなんか、嬉しい。


「明日香、帰るぞ。しょうがないから送ってやるか」


陽介は慣れない下駄で歩くあたしに、歩調を合わせてくれた。


「じゃあな」


別れ際、陽介があたしの頭を優しくぽんぽんと叩いてくれた。


その表情は少し苦しそうだった。多分振ったことに対して、罪悪感を感じているんだろうな。