想いが溢れてしまったら【短編】

「なんかさ俺、今めっちゃ嬉しかったんだよね」


そんなこと言われたら、きゅんってなる。ほんとにむかつく。


「……でもさ、こんなのずるい。こっちは苦しいんですけど」


「……だな」


陽介はそこでようやく、あたしの後頭部から手を離した。


「ほら、ちゃんと花火見とけよ。きれいだよ」


あたしは顔を上げた。ほんとだ。きれい。


「さっきはごめん。急にたまんなくなっちゃってさ」


目線を上げたまま、陽介がぼそっとつぶやいた。