想いが溢れてしまったら【短編】

陽介はあたしの頭をさらに自分の胸へ押し付ける。


「俺の心臓の音聞こえない?結構早いでしょ?」


言われてみればそうかもしれない。あたしの心臓と同じくらい、陽介の心臓も早い。

自分のことばかりで気が付かなかった。


「心臓こんなになったの、明日香にそうやって言われてからだよ」


あたしの涙が落ち着いてきたのは、陽介の心臓の音が聞こえていたからなのかな。


どきどきする。あたしは目をゆっくり閉じた。もう少しこの音を聞いていたいかも。