私の独り言に答える人物が窓越しに見えた。
驚いて振り返る。
そこには男の人が立っていた。身長は高く髪は茶色く、整った顔立ち。
「僕も好きなんだ、ここ」
そう言って優しい目を私に向ける。私がなにも答えられずにいると
「そんな警戒しないでよ。君もここへはよく来るの?」
そう言って彼は近づいてくる。
「初めて…です」
私は戸惑い下を向いた。少し人見知りなのだ。
そんなことお構い無しの彼は私の目の前で止まり、しゃがんで顔を覗き込んできた。
「敬語なんてやめてよ、何歳?」
彼と目が合う。
「17…歳」
私が答えると彼の目が輝いた。
「僕と同い年だよ!なんだか嬉しいな」
彼は優しく微笑んだ。