思考が停止する。世界が止まる。
｢なに言って…｣
｢20歳まで生きるのは無理って言われてきた｣
御影くんが私の目を見る。
｢嫌だよ何いってんの？嘘だよね？｣
信じたくなかった。
｢本当だよ…助からないってわかってるから簡単に管を抜けたしどうなってもいいって思ってた｣
涙が少しずつ溢れてくる。
｢あと3年もない…最近体調も良くないし…そろそろ迎えが来るかもしれない｣
｢やめてよ…そんなこと言わないでよ！｣
私は御影くんの肩を掴んで目を見つめた。
｢人間はね、自分の死期がわかるんだ｣
御影くんはそういうと外とを見つめた。
｢“その時”が、来る気がするんだ｣
やめてよそんなこと言わないでよ…
だって私は…私は…あなたがいなくなったらどうすればいいの？
｢言いたくなかった…言えなかった。でも言わなくちゃ｣
御影くんが優しく微笑んで私の髪をなでた。
｢嫌だよ！だって…だって私は、私はあなたが…｣
好きだと、言おうとした瞬間御影くんは私の口の前で人差し指を立てた。