朝起きてリビングへ行くと、愛衣さんと晃さんはドタバタとしていた。
「どうしたの?」
「今から○○社の社長とゴルフに誘われたのよ!ごめんけど、朝ご飯も昼ご飯も適当に食べといて!晩ご飯までには戻るから!このお金ですばると食べて!」
愛衣さんは早口でそう言うと、晃さんと一緒に足早に家を出て行った。
静かになったリビングで時音は、朝ご飯を食べる事にした。
「これで良いかな?」
時音は、トーストとコーヒーを2人分作るとすばるくんの部屋へ届けに行く事にした。
コンコン
「入るよ?」
ノックしてみたが返事が無いため、勝手に入ってみた。
「すばるくん?朝ご飯持って来たけどいる?」
「勝手に入るなよ。」
時音は、半ギレのすばるくんにムッとしたが、昨日の件も有り我慢することにした。
「ノックしたもん!で、いるの?いらないの?」
「いる。」
すばるくんはぼそっと呟いた。ホント素直になれば良いのに。
時音は朝ご飯を机に置くと、机についていたすばるくんの手元を覗き込んだ。
「勉強してるんだね。」
すばるくんの手元には、ノートや参考書、教科書などの勉強道具が並んでいた。