怖い顔をして出て行った美花と小林くんが1時間目が終わった後帰ってきた。
「何かあったの?」
時音は、そう聞いてしまった。なぜなら、とても仲良さそうだったから。
「言ってあげれば良いんじゃない?」
「そうだね。」
その親密さに付き合う事になったとか、そういう話なのでは?と時音は思った。会って少ししか経っていないのに。美花はこんなにも、尻軽だったのだろうか?
「実は、僕と時音は幼なじみで付き合ってたんだよ。そのネックレスをあげたのも僕で…だから、もう一度付き合ってくれますか?」

嘘だ。

でも、胸が暖かい。

不思議な気持ち…。

だけど、今の私には小林くんの記憶も思い出も無い。

こう言ってくれるのは嬉しいけど、小林くんが好きな“時音”は私の中には居ないんだ。

そう思うと、また付き合う事は出来ないと思った。