「雪斗、何があったか教えてくるか?」
鈴音が倒れてからは、鈴音を部屋のベッドに運び、雪斗はお父さんの部屋に呼ばれたのだった。
「鈴ちゃんが来た時、お姉ちゃんだと思ったから…。」
お父さんは、眉間にシワを寄せた。
「お姉ちゃんだという確信はどうやって持ったんだ?そっくりかもしれないと思わなかったのか?」
「それも、はじめは思ったよ。でも、鈴ちゃんが着けてたクローバーのネックレスで確信したんだ。あれは、姉ちゃんの彼氏がお守りにってもらった物と、全く同じだったから。」
お父さんは、少し考えてから口を開いた。
「おそらく、雪斗と鈴音は姉弟なんだと思うよ。雪斗も鈴音も同じB型で、同じ飛行機事故に合っている。鈴音の目が覚めたら教えてあげなさい。俺も資料を上に出しとくから。お姉さんの名前は?」
「時音。」
「そうか。今日から、時音と呼んであげなさい。思い出すきっかけになるかもしれない。皆にも、鈴音にも、俺から話すから。」
「ありがとうございます。」
雪斗は、頭を下げると部屋を出て“時音”の元へ向かった。

「姉ちゃんは?」