その言葉を合図に皆は食べ始めた。
「おはよう!昨日はよく寝られたか?」
「お父さん起きるの遅いよ!」
梨々花がすかさずツッコむ。
「いやー今日も美味そうなご飯だなぁ!いただきまーす!」
梨々花の言葉をスルーして“お父さん”は、食べ始めた。
「鈴、ここのルール詳しく教えてなかったな?」
「はい。」
「リビングは、ルールが1つだけある。それはテレビの使い方だ。1人1つ1時間だけ見ることができる。でも、勝手に見ていい訳じゃなくてテレビの横にある紙に見たいテレビと自分の名前を書くんだ。お風呂は7時からが女子で、9時からが男子だ。起きる時間は6時45分、寝る時間は基本11時だ。あとは、敬語や遠慮はなしだ。だって俺達は、血がつながってなくても一緒に暮らす家族だから。いいか?」
「うん!」
鈴音は、家族という言葉に嬉しくなった。もしかしたら、自分の家族は居なくなってしまったのでは?という不安や、寂しさがあったからだった。
「鈴ちゃん、今日話したい事があるんだけど?」
もう食べ終えていた雪斗が話しかけてきた。
「いいけど、ちょっと待ってね。」
そう言うと鈴音は、残りのご飯をかき込んだ。