記憶がありません、そう言った鈴音を雪斗は認めたくなかった。
「雪、なんで私が梨々花に場所案内行かせたか分かる?それはね、雪が姉ちゃんって言ったのが聞こえたからなんだ。どういう事か教えてくれる?」

美花ちゃんに聞こえてたのか。

「僕、鈴ちゃんを見た時姉ちゃんそっくりって思ったんだ。飛行機事故で記憶を失くしたって言ったから、確信が持てた。僕に協力してください!」
雪斗は、皆に頭を下げた。
「で、言うの?きっとリスクはすごく大きいよ。」
雪斗は、ゴクリと唾を飲み込んだ。
「うん。言うよ。もし、本当の姉ちゃんで記憶が戻ったら親の居場所、分かるかもしれないし。」
「私は協力する。」
そう言ったのは、意外にも莉久だった。
「俺も!」

皆は、僕のために手伝ってくれる。