葬式の日から、告別式など沢山やる事があって、結局すばるくんの家に行く事になったのは2ヶ月以上経った後だった。今でも、テレビや新聞では姉ちゃん、いや、白波 鈴音の話題で持ちきりだった。その一つ一つが僕達の傷をさらにえぐる。
すばるくんに教えられた通りに、道を行くと大きなマンションがあった。
「あいつ、何者?」
とにかくチャイムを押し、中に入れてもらった。
「何でこんな良い所住んでんだよ。」
「父さんが、不動産屋の社長なので。」
「ふ〜ん。」
「ここが時音の部屋。まだ何も触ってないから。」
すばるくんが、ドアノブを握った。
ガチャリ
「僕の事、忘れないでくれる?」
リビングのある方を見ると、秋くんが立っていた。
「ごめん。すっかり忘れてた。」
「何故に?」