「そうだったんだ。」
まるで、今の私に似ている。信じたいのに、信じられない。その狭間の中で、私はもがいてる。
「今の時音とあの時の俺は似てる。そこまで悩まなくてもいいと思う。自分が信じていれば、自然と信頼関係が生まれてくると思う。って言っても、俺はまだ他人を信じるのが苦手だけどな。」
私もそうだと思う。でもね、私はあなたと違う事にも苦しんでいる。自分が犯した罪に。あの時、お母さんは死んでなかったんじゃないか?という思いが、私を襲う。自分が生きたいがために、手を離したのではないか?と…。
「もうすぐで、撮影始まるんだろ?気持ち、切り替えないと。」
「うん。そうだね!」
私は笑った。それが演技の始まり…。