ロビーのソファーに座って待っていると、エレベーターから中村さんがやって来た。
「会田時音って誰かと思ったが、お前のことだったのか。」
やって来た中村さんは、あの時に会った時とは違い、優しい笑顔を向けてきた。案外優しい人なのかな?などと思う。
「ここも何だから、来客室にでも行こうか?」
時音たちは中村さんに着いて行き、ある部屋の中へ入った。そこはテレビ等で見かける、大きな会議室だった。中村さんは時音たちを促し、近くの椅子に座った。時音たちはおずおずと座る。
「早速話を始めるけど、ここに来てくれたって事は芸能界に入るって事でいいかな?」
「はい。」
「でも、中村さんが勝手に決めても良いんですか?」
すばるくんはここぞとばかりに、つっこんだ。
「良いんだよ。僕、ココの社長だからね。」
時音もすばるくんもこの言葉には、口をあんぐりとさせた。渡された名刺にもそんな事は一切書いていなかった。それに、社長と言うには若すぎる。