時計が12時を指した。
時音は、見ていたテレビの声に合わせて叫んだ。
「Happy New Year!」
その様子を見て、すばるくんと晃さんは呆れ顔をしていた。
「あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。」
時音はソファーに座っているみんなの前に立って挨拶をする。感謝の気持ちを込めて。それに、皆は笑顔で応えてくれた。
「さて、挨拶も終わったことだし神様への挨拶に行かないとなぁ!」
晃さんはそう言うと、30分後に玄関に集合だと言った。その言葉を合図に、時音たちはそれぞれ準備を始める。
時音はこの間、愛衣さんにに買ってもらった青いコートと靴を履き玄関を出た。
「それ。」
すばるくんはもう出ていて、その服どうしたの?と目で訴えかけている。
「この間愛衣さんに買ってもらったんだ。似合う?」
モデルみたいにポーズをとってみたけど、すばるくんにはスルーされてしまった。当たり前かぁ〜と思いながらも、シュンとしてしまう。
それからすぐに、晃さんと愛衣さんが出て来た。
「さぁ、行こうか。」
マンションから出ると、冷気が肌をチクチクと刺す。まだ新しいコートに顔を埋め、先頭を行く晃さんを追いかけた。