「それで家出したんだ。」
「うん。」
ひと通りの話を聞いたすばるくんは、考え込む様子だった。あの後、リビングに上げてもらった時音は1つ1つ順に追って話した。
「取りあえず、今日は泊まればいいんじゃない。前までの家具置いてあるし。まぁ、父さん達が帰ってこないと俺には決められないけど。それまでテキトーに時間潰して。」
時音は、そう言えばこの人言葉にトゲがあるんだった…と思い出す。勢いで来てしまったから、来る場所を間違えたのではないかと時音は感じていた。
取りあえず時音は、前まで借りていた部屋に荷物を持って行き、これからの事を考える。

上田さんの家にお世話になるのは、迷惑だったかなぁ。

これからの将来どうしよう…。

とにかく、時音は不安で一杯になっていた。時間を潰すため時音は取りあえず、家から持って来たお母さんの日記を開いた。
日記は毎日丁寧に書かれており、日々の様子が色濃く目に映るようだった。

お母さんは、上手くやっていた。