「そんな!迷惑だなんて思った事ないよ!はじめこそてんぱったけどでも!時音と家族になれて良かったと思ってるし、凄く楽しかった。」
時音は、暖かい気持ちになるのを感じた。
「そう言ってくれると嬉しいな…。」
「何、しんみり言ってんの?早く美花みたいにはしゃごう!あれ乗るよ!」
そう言って梨々花が指差したのは、ジェットコースターだった。不運なことに、待ってるヒトは誰一人として居なかった。
「本当にアレ乗るの?」
「乗るに決まってるじゃん!」
梨々花はどんどんと進んでいく。係員さんにフリーパスを見せて、荷物を預けてジェットコースターに乗り込んだ。時音も梨々花の様子を見様見真似でギクシャクとしながら乗り込む。
ガシャン
というバーの降りる音が、周りの可愛らしい音楽と不釣り合いに感じられた。
「いってらっしゃーい!」
係員さんの明るい声に合わせて、進み始める。
あっという間に頂上までやって来た。梨々花が
「来るよ!」
と声をあげる。その瞬間、ドーンとジェットコースターが落ちていく。時音は、恐怖のあまり涙が出てきた。
「いやー!」