「ちょっと探してみてやるよ」



半澤が得意げな顔をする。



「さっすが」


「顔は広いからな、半澤」


「顔はってなんだよ、清田」



ほんと半澤は顔が広い。
まぁ、ルックス的にもめっちゃいいし。
そして、女の子にも優しいし。
まあ、天性のたらしともいうべきか。



「半澤頼んだわ」



俺はそれだけ言うとカバンを手にする。



「帰んの?」


「あぁ」



瑠璃が通る気がするから。



「あ、なるほど」



半澤の発した言葉に廊下を見ると思った通りに瑠璃が通るところだった。



「じゃあな」



ふたりに向かって片手を上げて廊下に出る。



「あっ」



俺が廊下に出たのはちょうど瑠璃がちらっと俺のクラスの中を見ようとしたのと同じだった。



「帰ろーぜ」


「うん」



こうやって瑠璃とは毎日一緒に帰る。
別に約束をしてるわけじゃないけど、瑠璃が友達にバイバイって言う声が大きいからここをもうすぐで通るってわかってしまうんだ。