「てかなんでそんな好きなやつの特徴なんて教えてもらってるの?」


「ヒント出し合ってんだよ」



ついに言っちまった。
なんで始まったのかわかんないこのヒントの出し合い。
言い出したのはどっちだったか。



「出し合ってるってお前も?」


「あぁ」


「つーか好きなやつなんかいたっけ」



半澤に痛いところをつかれる。



「いねぇ」



俺にはそうだ。
好きなやつなんかいない。



「じゃあなんのヒント出してんだよ。お前」


「どうしてもアイツの好きなやつが知りたくてさ。ヒントはアイツの特徴言ってる」



そう。
言ってみれば手っ取り早かった。
恐らく自分に似てるとも思わないだろうし。
アイツはそんなに自己評価は高くないから。



「鮎川さんの特徴って、うける」


「うるせぇよ。そこまでして知りたいのに清田じゃないとしたら全然わかんねぇんだよ。絶対清田だと思ったのに」



俺は机に顔を伏せる。