曇り空の下、私たちは他愛もない話をしていた。

「どうでもいいけど干し柿食べたい。売ってないかなー?」

あんな酷いことしたのに、真面目に謝らなかった。和泉は何も言わなかった。ただ冷たい目で見ていた。こんな私にかける言葉もないんだろう。

「ねぇ、そんなことよりもっと大事なことがあるでしょ。誤魔化してるんじゃないの?」

誤魔化してる。幸が何を言いたいのかわかる。

「怖いんでしょ。友達としてしか見れないって言われるのが」

幸は私の心を読んでいるみたいだ。
そう、怖かった。私は可愛くない、女の子らしくしていない。

「まずは行ってきたら?何だかんだ言って華菜のこと嫌ってないよ。華菜は最初から嫌われてない。友だちでも、好かれてるんだからチャンスはあるよ」

そうだね。まだちゃんと、どう思ってるか聞いてない。

一度で駄目でも諦めない。私は優秀だから!好きと言えずに卒業、なんて悲しい結果は残さない!