…ジリリリリッ…
目覚ましが響く。
日毎起きれなくなる朝。
目覚ましのアラームが長くなり、うるさく感じる。
起きたくない重い体を起こして、半開きの目で隣で眠る彼を起こす。
声を出すのも億劫で手を伸ばし、肩に手を置いたら「おはよう」とぱっちり目を開けている彼に先を越された。
「おはよう」
「目、開いてないよ」
眠そうだね、と言って先に体を起こした彼を見ていた。
なかなか体を起こさないから「はい、起きて」と立場が逆転する。
週の半ばの朝が1番辛い。
起こして、と手を伸ばすと引っ張り起こしてくれて、今日はなぜか抱きしめられた。
あ、温い...と目を閉じかけたら動いた手。
「...ちょっと」
「なに?」
「朝からどこ触って...やめてーー!!」
服の中に手が入ったと思ったら脇腹をくすぐってくる。
脇腹がどこよりも弱いと知っててくすぐってくる。
朝からベッドの上で暴れて子供のプロレスみたい。
「起きた?」
「...疲れた」
朝から大量消耗してぐったりする。
「朝ごはん何にする?」
なんて聞いてくる彼は日毎元気になる。
おかげでスッキリした頭で彼に続いて部屋を出る。
「朝から元気だね」
「元気だったね」
「あたしの事じゃないよ」
「寝起きで遊ぶのも楽しいでしょ」
そう言って少し意地悪く笑う彼が好きだ。
「早くしないと遅刻するよ」
また長い一日の始まり。
END