「ごめん、あんたの事もう好きじゃなくなったから別れてくれる?」
あたし、黒崎桜羅は、彼氏である赤月怜也を放課後の校舎裏に呼び出してそう別れを告げた。
「は…?いや、何があったわけ??」
状況をうまく飲み込めていない怜也に対し、あたしは冷たく言い放つ。
「何がって、さっき言ったでしょ。あんたの事好きじゃなくなったってだけ」
すると怜也は訝しむような目をあたしに向けた。
「…それが桜羅の本心?」
そして目を真っ直ぐに見つめて問いかけてくる。
「俺には、それが本当に桜羅の心から出た言葉には思えないけど。声震えてるし…なんかあったとしか思えない」
全てを見透かされたような言葉にあたしは困惑した。
「なんで…っ」
なんで、わかるの…?