よりによって
向かう方向で
堂々と言ってくれるねぇ。


行きづらい。



「はぁ…
 最悪なのはアタシの方だっての」



聞こえないように小声で呟くと
昇る足を止めず辿り着いた先で
彼女達とバッタリ鉢合わせした。


アタシを見た彼女達は
一瞬驚いた表情をしたが…
さすが女子。

冷たく睨み始めた。


コレは3年だな。
しかもちょっと目立つグループの。


いるっしょ?
どこにもそういう人達って。



「何?聞いてたの?」


「盗み聞きとか最悪―」



おいおい
何言ってんの?