ゼンと副会長さんが愛を深めている頃
アタシはと言うと―――



「はぁ…。
 足がズキズキする」



足を庇って歩くせいか
時間がいつもの倍は掛かって仕方ない。


特に階段。

普段使わない手すりに助けられている。
慣れないと至難の業だ。


こういう日は災難は続くワケで。



「今年のコンテスト
 最悪だったよねぇ」


「本当だよねぇ。
 2年のあのコとか納得いかないんだけど」



階段上から聞こえてくる
数人の女子生徒の陰口。

しかもターゲットはアタシか。