「そんなに俺から離れたい？」
「え…」
思いがけない質問に
少し驚いた。
確かに気まずさはあるけれど
嫌いなワケではないし
“離れたい”とは
考えていなかったから。
だけど――
「お前にそんな顔されんのは…
堪えるな…」
今まで1度も見た事のない
寂しそうな
辛そうなゼンの表情に
アタシは言葉を失ってしまった…
アタシはコイツに
そんな顔をさせてしまっていたんだと…
「…ごめん」
どうしてアタシが謝っているんだろうか。
困らせてんのはゼンなのに…
でも
悲しそうにしないでほしいって
思ってしまったんだ。
