「平気だから…
 もう帰るよ」



そう言ってアタシは半ば強引に
ベッドから降りようとしたが
身体の熱さと悪寒で
到底ムリそうだった。



「ほら言わんこっちゃない。
 大人しく言う事を聞け」



そんな事を言われても
ムリに決まってる。



ゼンに振り回されて
気まずさしかないのに…


なんともタイミングが悪すぎる。



「はぁ…」



考え事をしていたアタシの近くで
聞こえてきたのは
ゼンの溜め息だった。



「え、何…?」



どうして溜め息?