あー…
ココは…



ふと目が覚めたが
熱があるせいか
視点が定まらない。


でもなんとなく理解する
“ゼンの部屋”だという事は。



「目が覚めたか?」



足元で聞こえたゼンの声に
意識がハッキリとしてきた。



「アタシ…ッ」



頭痛を庇いながら
なんとか体を起こすと。



「熱があるんだから
まだ寝てろ」



止められてしまった。



「大丈夫…
 ごめん、迷惑掛けて」


「気にすんな。
 飯と薬、用意してくるから。
 もう少し寝てな」



何から何までお世話されてしまっている…