「ふーん。
 知恵熱だったりして」


「そんなに子供じゃありません」



クスクスう笑うゼンに
間髪入れずにツッコミを入れる。



「いろいろ考えさせたのは
 俺だからな…」



ボソッと発した言葉は
背中越しにアタシにも聞こえていたけれど…



別にアンタのせいってワケじゃないでしょ…



と、心の中で応えてみた。



「ほら、ついたから。
 もう少し辛抱しな」


「うん…」



熱があるせいか
ボーッと返事をしながら
ゼンの言われるまま
また眼を閉じていると
次に体に感じたのは
フワフワした感触。