「ちょッ!
 離せッ」


「うるせーな。
 大人しくしてろ」



完全に拒否されてしまい
ゼンはアタシを背負ったまま
廊下を歩いていく。


もちろん
大注目の的になっているのは
この場合
致し方ないと言うべきなのだろうか…



そして。
校外へと出ていく頃には――



「…ケホッ」



どうやらアタシの方は
それどころじゃなくて。



「だいぶ辛そうだな」


「…大丈夫」



とは答えたけど
震えが止まらない。



「いつから熱があったんだ?」


「そんなのわからない。
 熱いって感じなかったし…」



全然気にしてなかったな