「やっぱり具合悪かったんだな」



あー…
体育の時間にボーッとしてたのは
考え事だけじゃなかったんだ…



「ゼンは気付いてたんだ…」



なんか
悔しいや。


アタシ以上に
アタシの事がお見通しみたいで…



「家まで送る。
 …とは言っても
 お前の家、誰もいないんだっけ」



ほら。
なんでも知ってる…
確かにコイツはそういうヤツなんだ。



「それなら仕方ないか…」



そう言ったかと思った次の瞬間



「えッ」



ひょいっと持ち上げられ
アタシはゼンに
おんぶされてしまった。