「…どうした?」



振り返って返事をするゼンに
アタシは何を言おうとしている…?


何も
掛ける言葉なんてないのに…



どうして…



「えっと…」



頭の中をフル回転させているのか
グルグルしてる…


アタシ…



「…ッ」



突然の寒気と頭痛に
アタシは思わず
寄り掛かるように
廊下の壁に体を預けた。



「え、イチカ!?」



ゼンはアタシの異変に気付き
咄嗟に近付き体を支えてくれた。



「あ、ごめん。
 平気…」



答えたモノの
調子が悪い…



「お前また…」



ゼンに触れられた額が
どことなくヒンヤリ感じる――