…好きか?


「…何?」



どう反応していいかわからず
ぶっきらぼうに返事をすると。



『どうしたじゃねぇよ。
 捜してたんだけど』



ゼンからは
若干、怒っているようにも聞こえる言葉が返ってきた。



『ちょっと用事があっただけ。
 それより何か用なの?』



それでもアタシは
突っぱねるように答えた。



『お前に話がある』



よりによって
このタイミングで話なんて
アタシは会いたくないのに。



「アタシは話す事ないから。
 じゃぁ、ね」


『待てッ』



電話を切ろうとしたのに
焦り気味なゼンに止められてしまった。