…好きか?


しかし副会長は
言葉が出てこなかった。

会長が言わんとする意味を
理解したから――



「草摩ゼンを好きだからって
 引き留めるために
 誰を傷付けた?
 その結果
 1番失いたくない人を
 手放したんだろ?
 それなら
 イチカを怒るのは筋違いだと思うけど」



感情を出さず淡々と言葉を発した後
会長は席を立ち
生徒会室から出て行ってしまった。


残された副会長は
悔しさを押し殺し
唇をギュッと結み立ち尽くしていた――