きっとアイツがいると思ったから――― 「ゼン…」 あいかわらず地面に寝転び 音楽を聴くイペース男の 陽を遮るように頭上から話し掛けた。 「なんだ、お前か」 「ちょっと話があるんだけど」 「…は?」 ダルそうに渋々起き上がると イヤホンを取って髪を簡単に直すコイツの 少し離れた位置にアタシも座った。 「さっき図書室で 副会長さんと話してた」 「…ふーん」 興味がないのか あまり反応を示さない。 まぁいつもの事といえば いつもの事だ。