だから―――



「ありがとう…会長さん…」



応えるように彼の腕の中に身を預け
アタシも抱きしめ返した。



打ち上げられる花火も
クライマックスを迎えようとしている。



お互い何も言わずとも自然と離れ
そして
恥ずかしそうに見つめ合う。



夜空に光る眩い“花”に照らされながら


アタシ達は


静かにキスをした―――






離れてはまた
会長さんは何度も
“離さない”と
言葉に…
唇に…
約束を交わす――



コレで良かったんだ…
アタシは前に進むんだから。





花火が、始まりを告げた―――