…好きか?


「アタシには…
 言えない事?」



どこか寂しそうに
悲しい目でゼンを見つめ
唇を噛みしめた。


そんな彼女の姿に
ようやく体を起こし…



「何もないし
 これからもない。
 お前だけだよ、ミヤビ…」



そう言って
副会長を抱き寄せると…



「私もよ、ゼン…」



彼女もまた応えるように
強く抱きしめ返した。



けれど…
ゼンの心はどこか上の空。

脳裏に浮かぶは
なぜか“別の女”だから。


副会長を選び
これからも傍にいると決めているのに
心を掻き乱す“何か”に
引っ掛かっていた。