「なんだよ、相馬。またももちんいじめるのかよ?」 「ウルサイ。さっさと帰れ」 「ちょ、なんだよ!あいかわらず冷てぇ奴だな」 「………」 「分かったよ。帰るっつーの」 相馬くんの威圧に観念した三木くんは、相馬くんからボールをうばい取ってぶつくさと不満を洩らしながら体育館を出ていってしまった。 相馬くんの機嫌が悪いことを察したのか、三木くんのあとに続いてゾロゾロと出ていくチームメイトたち。 最終体育館に残ったのは、私と相馬くんの二人だけ。 「相馬く──」 「こっち来て」