『なんで……』 ここに相馬くんがいるんだろう? さっき、体育館を出ていった筈なのに。 『腕』 『え?』 体育館の扉に寄りかかっていた相馬くんが身体を起こしてこっちに歩いてくる。 『腕の位置はここ』 『え?え?』 な、なに!?腕!? 一体何がどうなって……。 ボールを持ち替えられ、腕をムリヤリ持ち上げられた私は、軽いパニックに陥った。 それもそのはず。 だって、相手は学校一モテモテの男の子、私も密かにあこがれていた相馬 新くんだったから。