「え、私のこと良く知ってる人……?」
全く知らない。だって、前まで送り迎えですれ違う人なんていなかったし、友達ができたのは晴くん達が初めてだし………。

「とりあえず、家に入りなよ 家の中の方が安全でしょ」
「そ、そうだけど…………」
やっぱり一人は怖い。だけど、晴くんにも迷惑かかっちゃうし……。
「……うん、そうだね ありがとね、晴くん」
そう言うと、晴くんは大きくため息をついた。

「言いたいことあるならいいなよ どうせ怖いとかなんでしょ?」


「え、」
「ほら、顔に出てるから わからないとでも思ったわけぇ? 桜庭とかでも呼んだら喜ぶんじゃない? 翔は……どっちでもいいけどさ」
あんまり無理しないでよねぇ、あとが面倒だからさ、と頭を撫でられる。やっぱり晴くんは優しい。たまに言葉はきついけど、その言葉にはしっかりと気持ちがこもってる。

「ありがとう」
「ほら、さっさと中入る 連絡は自分は取ってよねぇ」